2020年2月22日土曜日

『論語』対談のメモ最初の三分の一

出口さんと鹿島さんの『論語』対談。今日のメモをそのまま。まず最初の三分の一。
メモ内容は完全に私個人用。それにまだ良く理解してないので間違って書いているところがあるかもしれない。引用はしないでください。(そんな人いないか(*^^*) )



16時開始。
鹿島:出口さんは「通史」にチャレンジされている。日本では珍しい。私はフランスの通史は訳した。出口さんに書評していただいた。渋沢の「論語」読んだ。いかに事業展開したか。なぜ『論語』か、きっかけは二つ。
(1)例えばバルザックの理解には当時の歴史研究が必要だった。歴史家があつかっていないところ。サン・シモン主義が大切。ユゴーもそう。ナポレオン第二帝政も。(出口さん大きくうなずいている。)サン・シモン主義はモノ・ヒト・アイディアの3つが循環して利益を生み出す。フランス人は競争嫌い。英米露はそうでない。渋沢栄一が欧州に行きサン・シモンを取り入れたかもしれない。その一方論語のエートス(倫理観)も取り入れた。
(2)家族人類学のキーポイントは直系(父―子―孫)家族。エマニュエル・トッドによると発達の一定時期に成立する。論語も直系家族を基にしている。他の中国の思想は共同体で平等。共産主義(トッド理論のサワリ)。論語の時代はユダヤ並みに古い。

出口:私は「保険屋」。ナポレオン三世はたしかに面白い。皇帝制とサン・シモン主義が共存していた。フランスには珍しく、英国と仲が良かった。第二帝政は王制とも共和制とも言えない。私はパリが好きだが、「今の良きパリ」はほとんど第二帝政でできた。トッドも好きだ。日本は男女差別が激しい。その原因の一つは長子単独相続制。職業も安定し、社会の流動性はない。中国は流動性高い。中国―(漢)字と紙と始皇帝。紙に書かれた文字で社会を統治している。「一君万民」の中間にやさしい殿様はいなかった。ギルドも弱い。市民は互いの人間関係(秘密結社)を使って自分で身を守る。
孔子の時代にはプラトンもアリストテレスもブッダも現れた。天才の現れる時期。なぜか。地球温暖化と鉄器の普及で農業がうまく行きだした。余剰生産物を使って威信財交易もはじまった。社会の余裕で勉強する人が現れた。後に周が滅びてインテリが地方に分散した。中華思想の走りをインテリが地方に伝える。戦国の七雄のなかでインテリたちが議論し、それが諸子百家。
(続く。)

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この月間ALL REVIEWS対談は神保町の東京堂書店六階ホールで行われた。コロナウィルスが心配なので緩行電車でのんびりでかけた。現地では手指の消毒用エタノールも準備され、換気にも注意していたので一安心。講師との握手やサインも自粛することに。

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