2020年7月11日土曜日

長谷川町子さんも使っていた目覚まし時計 PYRAMIDTALK



これは、10年ほど前に目の悪かった年寄りが使っていた目覚まし時計だ。SEIKOの「PYRAMIDTALK」。目覚まし機能よりも、ピラミッドの頭のスイッチを押すと現在時刻を女性の声で教えてくれるのが便利。暗闇の中でも、時間がわかる。使われなくなってから大分経つが、今日持ち出してみたら、まだきちんと作動する。

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固い活字本ばかり読んでいるのも飽きたので、『長谷川町子全集 第32巻 サザエさんうちあけ話・サザエさん旅あるき』(朝日新聞社 1998年)を読むことにした。この全集は発売の時に買い揃えた。文庫本の全集も持っていたが、これはあるとき病院の図書室に寄付した。

この本の164頁に、長編を書こうとして張り切った著者が、夜眠れなくなり、何度も目を覚ましては、枕元の時計を「使う」場面が描かれている。よく、その時計の形を見ると、どうもPYRAMIDTALKらしい。時計は「二時五分です」、「四時三十一分です」と「言って」いるので、間違いないと思う。

結局長谷川町子さんは寝過ごして原稿が書けずに、使いに来た「げんこう部」の人に謝る羽目になる。明け方は熟睡できたわけで、この時計の優秀さを物語っているわけだ。つまり、明かりをつけなくても良いし、針音もしないのだ。目覚まし機能がついているので、なぜこれを使わなかったのかギモンだ。神経質な長谷川町子さんは、目覚ましをかけるとかえってそれで眠れなくなるたちだったかもしれない。

この本の、途中にすでになくなった人たちの回想が描かれている。ユーモアを持って描かれているのだが、それだけに愛惜の気持ちが強く表れているようで、何度か涙が出てきた。

この本は、長谷川町子ファンには、おおいにオススメしたい。私はこれから別巻の『長谷川町子 思い出記念館』をよんでから寝るつもりだ。PYRAMIDTALKは今夜枕元に置いておく。

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ピラミッドパワーでよく眠れるかもしれないし……

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