2021年4月5日月曜日

『俺の歯の話』にはなんとかついていけると若ぶってみる

昨夜、池江璃花子選手が病気の後初めて、日本選手権バタフライ100メートルで優勝。五輪のメドレー出場権を得た。復帰後7ヶ月なのに、立派なものだ。今日の夜、萩原智子さんがテレビニュースで解説していたが、筋力は全盛期ほどないが、決勝レースでは準決勝までと泳ぎ方を変えて(端的には50メートル18ストロークを17ストロークに変更して)、筋力の不足を「変更力」で克服したと言っていた。これは示唆に富む分析だと思った。確かに池江選手の腕や肩を見ると筋肉の盛り上がりは多くない。それなのに、勝てた。

老人の筋力も衰えている。それに私のように内臓系の病気で手術をした後ではそれ以前の体力がないのは当たり前かもしれない。その体力の衰えは、思考力に影響を及ぼしていると感じざるを得ない。当然のようにそれをカバーする方法をいつも考えている。主にやっているのはある仕事をするのに時間をかけること。時間を置いて何度も繰り返し、その結果のチェックの回数も増やす。一時間で出来た仕事でも、数日かけて行えば品質は下がらないはずだ。こう思ってやっているが、意外と結果が伴わない。ミスは昔より数多くおかしてしまう。

考え方が間違っているのだろう。自分の思考能力低下をもっと分析して、それに見合った、より適正な方法を考えなければならない。時間をかけるという、いわば「力任せ」な方法ではいけないのだろう。

ICTの力を借りるのも良いが、それ以前に、思考筋肉の衰えをカバーする、別の思考筋肉の動かし方を会得しなければいけないと思える。自分がどのように思考して結果を出しているのかを分析するところからはじめたい。他山の石として、トーマス・マンや森有正や村上春樹や森鴎外など老年期まで書き続けている人の作品を分析するのもいいかもしれない。


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バレリア・ルイセリ『俺の歯の話』(松本健二訳 白水社)を半分まで読む。昨日の月刊ALL REBVIEWSフィクション回で山本 貴光さんと 豊崎 由美さんがこの本について対談を行なった。昨夜は所用(炊事)で観ることが出来なかったが、面白そうな本だと直感が教えてくれたので、今朝そのアーカイブビデオを視聴。


案の定、面白そうな本だった。若い著者の語り口でちょっとついていけないというところもあるが、そこは頑張って読み続ける。奇想天外なところが良い。

対談では、この本のネタでもある、弁論術の話が盛り上がった。それに乗って、私も図書館で『アリストテレス全集 18』を予約してしまった。「弁論術」と「詩学」が納められた巻である。ついでに、『マルジナリアでつかまえて 書かずば読めぬの巻』(山本さん著)と、『ソヴィエト・ファンタスチカの歴史 世界浪曼派』(山本さんご推薦)も予約した。

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「バッハを聴く』プロジェクト。

John Feeley - Cello suite no.1 in D by J.S. Bach

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