2019年9月2日月曜日

玄奘三蔵も訳経を行うために権力と戦っていた

借りておいた本を読む。
『西域記ー玄奘三蔵の旅』(玄奘 桑山正進訳 中野美代子解説 1995年 小学館)。
掘り出し物と言える本。第三章が『西域記』の翻訳というか内容紹介。一章と二章は桑山さんの解説。『大唐西域記』の編纂をした弁機という僧の悲劇も書かれている。この話は全く知らなかった。やはり、玄奘は政治に巻き込まれそうになったが、辛くも逃げ切って、経典の翻訳をなんとか続けることができた。

玄奘の伝記である「慈恩伝」(慧立と彦悰)自体も、地中に埋めて隠匿しなければならない、厳しい情勢。ともかく、いろいろわからないことが多い。7世紀のことなので無理もない、というかその当時のことなのに、こうして記録が残っていること自体が、玄奘の偉大さを語っているとも言える。

『玄奘三蔵 西域インド紀行』(慧立(えりゅう)/彦悰(げんそう) 長澤和俊訳 1998年 講談社学術文庫)。さっき、出てきた『大慈恩寺三蔵法師伝』の前半部分の翻訳。後半になにが書かれているかは、巻末の解題によるしかない。
同じ訳者による全訳は1960年代に桃源社から「玄奘法師西域紀行」の一冊で出たのだそうだ。国会図書館にはある。

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どちらの本を読んでも(まだすべてを読んではいないが)、「翻訳」の内実はまだわからない。もっと、調べる。そして、漢文の読み方を復習したい気持ちが、また嵩じてきた。

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