2019年9月19日木曜日

『シェイクスピア&カンパニー書店の優しき日々』を読めば書店に居るのと同じ気分だ

『シェイクスピア&カンパニー書店の優しき日々』、二日目だけれど読み終えた。一気に残り200頁。

読み終えて感じるのは、非常に愛らしい作品ということ。著者が書店と書店主(ジョージ・ホイットマン)に感じていた愛情にあふれている。
ジョージ・ホイットマンは、1950年・60年代の米国の良い意味の草の根民主主義思想を持ち続けるために、米国を早くから離れたのだろう。それを嗅ぎつけて、世界からこの書店にあこがれて訪れる若者たち。見どころのある若者には、シゴトと住居と食事を提供する。いわゆる、コンミューン。ただし、毎日1冊は名作を読むことが条件だ。初代のシェイクスピア書店よりも、徹底している。対象の若者の年齢が若く、未熟なせいもある。
ジョージ・ホイットマン自身は、書店を維持し、若者を養うために、贅沢を廃して昔のヒッピーのような生活を90を過ぎても続ける。
Youtubeでいくつかのビデオを観るとその様子がわかる。床屋に行くのが面倒、いや多分料金を節約するために、ローソクの火を髪に点けて少し燃え上がったところで、手でもみ消す。これには驚いた。

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書店のスタンプには、KIROMETER ZERO PARISという文言があるが、ノートルダム大聖堂に隣接しているという意味。一方、書店のそしてパリの洗礼を受けた人は、世界のどこにいても、心の中では近くにいると感じるだろうという意味も込められているのだろう。

私の住んでいるところは、9700キロも離れているが、この本を読んでいる間は、その距離を感じさせない。
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