2019年11月24日日曜日

『パリ左岸』、解放の喜びの中に資本主義と共産主義の間の不協和音が聞こえる

外猫のAmちゃんが珍しく機嫌良い顔の写真を取らせてくれた。


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『パリの日本人』(鹿島茂 2009年 新潮社)のうち、「日本美術の大恩人・林忠正」を読む。最後は「今こそ、二重の意味での日本美術の大恩人、林忠正の復権を叫ばなければならない。」で結ばれる。「二重」とは、日本の伝統美術を海外に知らしめたということと、日本の美術界の行末を考えて発展するように手を打ったということだろう。


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『パリ左岸』の続きを少し読む。パリ解放の興奮が伝わってくる。
103頁。カミュは「コンパ紙」の社説で、市民の蜂起を呼びかける。
106頁。進軍してきたヘミングウェイはパリを遠望して涙を流す。パリじゅうの鐘がなりひびく。
108頁。ヘミングウェイはシルヴィアとアドリエンヌに再会。小柄なシルヴィアを抱き上げて振り回す。
110頁。ナチスの狙撃兵はまだ隠れて、銃撃を繰り返す。アーウィン・ショーは、まだ頬に口紅の跡が残ったまま、銃弾に倒れた年少の兵士を目撃した。その劇場(コメディー・フランセーズ)にはサルトルやカミュもいたが、ショーは気づかない。
113頁。ド・ゴール将軍はすでに共産主義者たちとの戦いを意識していた。

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