2021年8月5日木曜日

書評集『蝶々は誰からの手紙』(丸谷才一)の書評文章中の批評精神に脱帽



『蝶々は誰からの手紙』を朝の一時間(6時~7時)で本文を読みおえる。

306頁。

村岡素一郎『史疑』(民友社)の話が出て来たので、国会図書館デジタルで眺める。この本の末尾にある民友社の宣伝頁で紹介されている本と著者のラインアップがすごい。福地桜痴の『幕府衰亡論』もある。

313頁。

「兼ねる辞書」で、丸谷才一の机の回りの本の様子がわかる。その中で『日本国語大辞典』に自分の言葉に関するメモを貼りこんで、スクラップブックとしても活用しているという話がさらりと書いてあって凄い。

323頁。

「読書という快楽への誘惑者」で向井敏が紹介されている。「読書という快楽への誘惑者として最高の人」と。「毎日新聞」「週刊朝日」「文學界」「東京人」ヘ寄稿。向井敏の言葉、「数百字の渺たる書評が大冊の評論にはるかにまさる『批評』を蔵している例は数知れない」も紹介。向井の方法の特質は次の通りだそうだ。

1.格式や序列を無視。差別から遠い。
2.ディテイルを大事にした。
3.大局観。(教養と博捜のたまもの)
⒋新人を見出す眼力。(鹿島茂、村上春樹、池澤夏樹など)
まとめると「好きこそものの上手なれ」。

向井敏の『残る本 残る人』を注文してしまった。

https://allreviews.jp/review/2352

344頁。

「考へるための道具としての日本語」の一節。

「言語には伝達の道見という局面のほかに、思考の道具といふ性格がある。人間は言葉を使ふことができるから、ものが考へられる。言葉が寄り添はなければ、思考は単純になつたり、しどけなくなつたりする。その思考の道具としての日本語についてはちつとも配慮しないのが近代日本の言語政策であつたし、言語観であつた。」

355頁。

「いま日本経済はあやふく、政治はひどいことになってゐる。」

2002年7月31日朝日新聞夕刊の記事だがこれも現在書かれたと言っても通用する、いや現在の方が切実と思えるような文章である。丸谷才一の先見性。

末尾に「初出一覧」が掲載されている。ここは重要。その後に「書名索引」と「著者名索引」と「訳者名索引」があり便利。

書評の初出媒体の主なところは、

・毎日新聞(あたりまえか)

・朝日新聞

・日本経済新聞

書名索引には100冊弱の本。

奥付けの後ろに出版社の本の紹介付き宣伝のページがあり、これを読んで、『いろんな色のインクで』を注文してしまった。

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新聞記事横断検索サイトを一つ見つけた。私は大昔にNiftyのIDを取っていたのですぐアクセス可能だった。記事のダウンロードには料金が必要。

https://business.nifty.com/gsh/RXCN/

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新型コロナワクチン(ファイザー社製)接種2回目。近所のかかりつけ医のK内科クリニックで受けた。いまのところ副作用なし。解熱剤はこの春同じクリニックで処方してもらったものがあるが使わなくて済みそうな気がする。希望的観測。

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