2020年9月22日火曜日

『霧の彼方 須賀敦子』を読む

若松英輔さんの『霧の彼方 須賀敦子』を読み始め、興に乗って夕方読み終えた。


第一章とあとがきをまず、読む。須賀敦子の精神のふるさとはアッシジだという。彼女の目的地は遠い。強く惹かれても読み終えられない本のようだ。あとがきの最後はまだやり残したことがあると、余韻を残す。上手い。冒頭に要約があり、本論でオリジナルな事柄を満載し、振り返りと残された課題を示す、この構成は学術論文ではおなじみだ。

7頁。
著者はそれほど深く須賀敦子を読んでいたわけではないが、これからは深くまじわるという予感があると。

8−9頁。
マルセル、三雲夏生、ムーニエ、モーリアック、ベルナス。

11頁。
ベッピーノとの結婚。

12頁。
ヨハネ23世の対話路線。

コルシア書店。ミラノの「シェークスピア書店」だろうか。どちらも書肆。

19頁。
生きることで祈る。聖職に就く必要は必ずしもない。

26頁。
和讃と「のらくろ」が原点。#本を読むには、「捨てる」勇気が必要だろう。

30頁。
空海とネストリウス派キリスト教は出会っていた。「どうせひとつ」。

42頁。
本に読まれるなと母に叱られる。

45頁。
父親から『即興詩人』を勧められる。鷗外好きの父親。15歳の彼女はキェルケゴールの『死にいたる病』も好き。原著(!?)にもあたる。

52頁。
宮沢賢治も好きだった。

56頁。
サン=テグジュペリも好きだった。

57頁。
リルケも。#このあたり読みながら、私の本棚を眺めて悦に入る。

102頁。
シャルトルへの「巡礼」旅。やっとたどり着いたが、聖堂に入れない。人生を象徴しているのか。

173頁。
「翻訳は批評である」

川端康成に小説を書くことを勧められる。

「神曲」を訳す。

須賀敦子の文筆人生は短い。晩年の7年間だけ。でも、豊饒。

後半は端折って読んだ。次の人に早く回したい本。

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