2020年9月7日月曜日

荷風に料理を教えたかった(^^)

台風の余波で、時々驟雨が襲ってくる朝、『荷風と東京『斷腸亭日乗』私註』(川本三郎)の続きを読む。

昨日の分をめくっていたら、287頁に「訪れた主な寺と墓」の表があるのに気づく。コロナ禍のなかだがちょっと行ってみたくなった。

292頁。
「自働車」の話。金回りが良いときは、今で言う「ハイヤー」を良く利用した。女性にドーダ顔をしたいためかしら。

304頁。
震災後の銀座の復活。カフェ―、デパート、食堂に繰り出す。

322頁。
喫茶店でレコードを聴く。

348頁。
寫眞道楽。昭和11年10月26日にドイツ製二眼レフ、ローライコードIを中古で購入。104圓。これをぶら下げて寫眞を撮ることを目的に街に出かける。

353頁。
ローライフレックス、310圓、にグレードアップ。昭和12年2月1日。墓地の寫眞もよく撮りに行った。

357頁。
もちろん踊り子も被写体に。昭和13年10月24日。

358頁。
現像も自分でやっている。理由はもちろん、人に見せたくない寫眞があるから。

佐藤春夫によると、荷風は凝り性の飽き性だという。

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佐藤春夫『小説永井荷風伝』(岩波書店)を読む。「小説」と銘打ってある通り、非常に読みやすい。佐藤春夫の個人的印象は、慶応大学教授時代の荷風はなかなか親切で講義も意外に丁寧で面白かったと言う。時代が下るにつれて評価は辛くなっていく。荷風の弱さをはっきり書いている。でもどこかに愛情のある書き方ではある。

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今夜は新しい鮭が手に入ったので、パン粉焼きにする。ソースはしめじと玉ねぎと人参とミニトマトを、酒とポン酢と醤油と砂糖でじっくり炒めたもの。油なし水なし。きのことトマトから滲み出したエキスが良い味になった。美味い。

思うに、荷風は料理を習えばよかったのではないか。独身で気楽だからといって、手軽にカツ丼ばかり食べていたので体を悪くしたと思う。凝り性で飽き性のお坊ちゃんでは無理か?

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