2018年4月23日月曜日

若い時読んだ本は捨ててはいけない



 「天文月報」2018年5月号の、なかの記事「杉本大一郎氏ロングインタビュー」を読む。杉本先生は放送大学で教わった先生である。(テレビを通じてだが。)

 12歳ほど年上の方だが、(名古屋)大学につとめはじめた時に、国家公務員として憲法を守りますという書類にハンコを押したとのこと。いまでもこうなのかしら。学生時代には、資本論や武谷三男の「弁証法の諸問題」を読んで面白く思ったともおっしゃっている。

 「弁証法の諸問題」は私も学生時代に読んだ。なにしろ薄い本だったので読めたのだろう。就職時のどさくさでなくしたので、図書館で借りて読み直そうとしたが、うちの図書館には*ない*。買うと今では高いので、図書館取り寄せか??


 天文月報はバックナンバーなら、かなりオンラインで読めるが、最新号はログインしないと読めませんm(_ _)m

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 そうこうしているうちに、ハーディ(数学者)の「ある数学者の弁明」が読みたくなった。実は、昔の会社の上司の上司が、この小冊子を「ある数学者の生涯と弁明」という題で翻訳されている。当時知っていたら本をいただけたと思うが、ぜんぜん知らなかった^^;

 幸い、著作権切れで私家版としての翻訳がここにある。

 功成り名遂げた学者でも、自分の生涯に疑問を持つこともある。しかしなんとか自分なりに、学問に貢献したと自分を慰めるという内容だ(と思う)。

 俗人の私は、自分が技術の進歩に役立ったのか多分そんなこと無いと思うだけで、あまり慰まない。しかたない。

 エライ方の訳した本にはC.P.スノーのハーディの紹介が併録されているらしい。これも面白そうなので、「ある数学者の生涯と弁明」もぜひ読みたいが、まだ安く手にいれる方法を思いつかない。やはり図書館取り寄せ?大きな本屋さんにいき立ち読みと言う手もありそうだ。

 スノーの「二つの文化と科学革命」もなつかしいので、読み直したいが、手元にない。英文ならInternet Archiveにある。借り出しには、順番まちが必要だ。待っているうちに忘れるのがおちだろう。

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 エライ方は、天下の大企業(自動車会社)にシステムのトラブルの説明(要するにお詫び)にお連れすると、ちょっと説明しただけで、相手を黙らせるほど威厳があった。質問するスキが無かったのだろう。
 技術的(学問的)には、妥協は絶対に許さない。社内の部長連中を相手にすると、「キミたちの話は具体論過ぎてわからない、もっと抽象論で話してください」と言ったり、「議論するには土俵(前提条件)を整えてから…」と、手厳しかった。

 一方、私のようなペーペーには優しい。重役なので、出先でタクシーを呼びますと、言ったら、「自分で呼ぶよ…キミは忙しいだろう」とおっしゃって、本当にご自分でタクシー会社に電話して黙ってさっさと帰ってしまう。それはそれで困るのだが^^;

 朝の出勤は誰よりも早い。始発でやってきて、仕事を始める前に古美術の写真集などを眺めておられる。

 いまはどうしておられるのか。まだムツカシイ論文を書いて楽しんでおられるのかしらん。

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