池波正太郎先生の「銀座日記」(新潮文庫、1991年)は、十回以上読み返している。もともとは「銀座百点」という楽しいPR誌(銀座の多くの店で無料で手にいれられます\(^o^)/)に連載されたもの。池波先生の連載が読みたくて、この雑誌をもらいに銀座に通ったものだ。その、昭和61年末の記述。
「例年のごとく、十二月の末になると山の上ホテルへ入り、翌年一月の直木賞候補作を読みながら、最後の仕事をすべて終えることにしている。その間に、家では大掃除、種々の手入れなどをすませるのだ。…
私も十二月の下旬だけは、仕事をしても気分的には休暇だ。割合に、のんびりしていられるが、一月元旦から仕事をする。これは例年のならわしである。」
池波先生の日記は年寄りには参考になることが多い。仕事の仕方だけでなく、健康管理、ものの考え方、生き方全般に。だから繰り返してこの文庫本を読んでいる。本体からはがれそうなページもいくつもある。そして、この日記の後半では先生の体力、気力が少しづつ衰えていくのが読み取れて、切なくなる。最後まで読み切ることが難しくなってきた。身につまされるとはこのことか。
年末にホテルにこもって仕事をするのも、最晩年をのぞき先生が毎年やられていた。羨ましい。いつか山の上ホテルに泊まりこんで古本屋街を散策したり仕事をしたりの生活をしてみたい。小遣いをためておいて実行したいです。近いうちにね。
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