2018年10月19日金曜日

「風の影」(集英社文庫)は抜群にオモシロイ

 「風の影」(カルロス・ルイス・サフォン 木村裕美訳 2006年)を昨日読み始めたが、今日の夕方までに上下二巻ともに一気に読み終えた。非常に面白かった。



 シチュエーションが秀逸。主人公はバルセロナの古書店主の息子。秘密の図書館で彼の運命を左右するであろう稀書「風の影」にめぐりあう。時は1945年。大戦は終わったがスペインはフランコ総統の圧政のもとにある。稀書の謎の著者も交えた奇想天外なストーリー。舞台はパリに少しだけ移動するが、主として美しいバルセロナ。かなり陰惨な話も出てくるが、バルセロナのさわやかな風が、怖さを和らげてくれる。後味もいい。

 アンダーウッドのタイプライターやモンブランの高級万年筆も重要な小道具として登場する。

 以下はネタバレなのでご注意ください。



*********************ここからネタバレ…

 最後の場面で主人公ダニエルが悪徳刑事に撃たれる。肋骨が2本折れ動脈をかすめ周辺組織を引きずって銃弾は貫通。どこを撃たれたのか、iOSアプリ(ヒューマン・アナトミー・アトラス)で確かめてみた。心臓周辺の循環系を表示し、骨を表示し、肺を消してみる。(これらが自由にでき、拡大回転も自在。このアプリはスバラシイ。高価だがプロモーション時に格安で入手できた。)多分肋骨のおかげで弾がそれて心臓直撃を避けられたのだろう。とっさのことで刑事の狙いが外れたとも考えられる。そして、74秒間心臓は停止していたが、その後蘇生する。悪徳刑事は善良な警官と稀書の謎の著者により倒されたので、その後人工呼吸も出来たのだろう。

***********************ここまで

 同じ著者の続編「天使のゲーム」は、この「風の影」の続編だが時代は遡るらしい。これも図書館で予約した。


 翌日調べたら、第3作「天国の囚人」も書かれていて、ダニエルも登場する。これも予約だ!

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 現実世界では季節がどんどん進んでいる。長袖長ズボン必須。朝晩は暖房が必要かと思うくらいだ。まだつけていないが。

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