朝は「みんなのつぶやき文学賞」のツイート取り扱いのオシゴト。その後、マンション管理組合の理事長として、作業を一つと掲示文を二つ作成。結構忙しい一日。
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『素白先生の散歩』を半分くらいまで読む。のんびりした筆致だが、かえってその方が著者にとっては忙しかったし、時間もかかったと思われる。こちら、読む側も珍しく忙しいなかで、この本のなかの随筆を何編か「ゆっくり読む」のがしっくり来る。不思議だし、この感覚は面白い。
素白先生は、旅先の街を、あるいは東京郊外を、また東京の下町を忙しい勤務と研究の中であるき回り、旅の道連れや土地の人とゆったりと会話し、それを材料として随筆を綴る。緻密な文章から考えると、一編を完成させるのには相当な時間をかけていると思える。緻密なのに軽さと暖かさと余裕を感じさせる。推敲は何度やったのか、数回では済まなかっただろう。玉を磨くとか、漆を塗り重ねるとかいう作業に匹敵するのではないか。それを、きっと少しずつ楽しみながらおやりになったような気がしてならない。
「騎西と菖蒲」という随筆中で、武者小路実篤のおじさんにあたる某子爵に、小説を書かぬのかと尋ねられ、若い筆者は、小説を書く天分はないが、これから先も、人生を見つめていきたいと告白するシーンがある。これを素白先生は、何年もかけて実行にうつしたのだろう。実に寡作だが、それには意味があったのだ。
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今日の「バッハ全曲を聴くプロジェクト」の実績。
J.S.Bach: Inventions and Sinfonias
Tatiana Nikolayeva (Piano)
30曲 • 55分 • Nov 13, 2006
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