2019年7月11日木曜日

ロアルド・ダールもパトリシア・ニールも「自分」を思い出すため必死に書いた

『真実 パトリシア・ニール自伝』については、昨日のブログでほとんど書き終えた。と思っていたが、今朝、もう一つメモしておくべき事を思い出した。

パトリシアのこの自伝のベースとなったのは、本人が修道院で書いた、「自分を思い出す」ための「日記」だ。修道院長から命じられたとあるが、修道女になる人たちも過去の日記を書くように言われるらしい。(真偽はまだ調べていないが。)日記を書くことにより、脳の障害からくる記憶喪失と、過去の生活から来る悩みを解消し、より深く「自分」を知ることになる、というのは頷ける。

このブログもこうして続けて書いていると、今まで知らなかった「自分」を発見できるような気がしてくる。

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『奇才ヘンリー・シュガーの物語』(ロアルド・ダール 柳瀬尚紀訳 山本容子絵 2006年 評論社)も読んでみた。著者が初めて書いた短編、「楽勝」が最後に収録されている。戦闘機が不時着し重傷を負ったときのことを書いた作品だが、この文章も、ダールにとっては記憶を取り戻し、かつ「自分」を発見するための記念的な作品なのだろう。
その他は表題作も含め、幻想的なフィクションが多いがが、ダールが自分の内面を掘り下げて、現実世界のなかの自分以外の「自分」を描いていると言えなくもない。

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どのような文章にせよ、自分の頭で考えて書くということは、不思議な作用を自分に及ぼす。面白いが、少し怖いところもある。

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「はやぶさ2」が、小惑星への二度目のタッチダウンに成功。採取したであろう岩石サンプルを、無事に持ち帰って欲しいと願う。

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