2021年1月30日土曜日

みんなのつぶやき文学賞の投票が始まった、2月7日いっぱいで締め切り

昨日の原稿を読み直す。

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「人影はなく、五月というのに鳥のさえずりさえ聞こえなかったのは、地区の死を無言で包みたいという死者たちの意志がどこかにじっと潜んでいたのか。」

……「明月珠」そのものの評価はこうだ。

「蔵書が灰になるのをまのあたりにして立ちつくす丘の上の老詩人を描ききって、どこかギリシア悲劇の主人公を彷彿させる作者(石川淳)の筆の冴えは、稀な感動をさそう、……」

時の流れを感じつつ書評の結末部を読む。

「数日後、年譜を繰っていて、あの夜、……荷風の年齢が、現在の自分のそれとおなじだったことに気づいたのは、怖ろしいような収穫だった。」 

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1945年3月10日に荷風が見たのは東京大空襲の惨害であり、この書評を書くために偏奇館跡に行った須賀敦子が見たものは「膨張経済の崩壊」であった。老境になった二人が見る死の影。

上記の部分に、👆これを追加しよう。

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『ブルデュー 闘う知識人』の第一章「人間ブルデュー」を読んだ。貧しい農民としての生い立ちから始めて、コレージュ・ド・フランスの教授職にまで上り詰めながらも、レイモン・アロンと対立するまでを描く。難しい用語は「ハビトゥス」だけで他は出てこない。ハビトゥスとは社会的制約から来る人の性向のことを言うらしい。社会学は大学教養部で森博先生に習って以来ご無沙汰だった。教科書は残してあったので開いてみたらデュルケムの勉強したノートがはさまっていた。読んだがわからない。昔はわかっていたのか、わかったふりをしていたのか。

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みんなのつぶやき文学賞のTwitterによる投票が開始された。運営のお手伝いをする予定なので、Tweetの解析を見せてもらった。昨年新たに出版された文芸書が対象だが、皆いろいろな本を取り上げて投票してくる。皆、よく読んでいるなあと感心するし、書名から書誌情報を調べていると、殆どの本を読みたくなってしまう。嬉しい悲鳴をあげたくなる。他の読書家の読んだ本の情報を知ることは重要だ。このイベントにはそんな意味があったのだ。

公式サイトはこちら。
https://tbaward.jp/

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今日の「バッハ全曲を聴くプロジェクト」の実績。
Johann Sebastian Bach. Geschwinde, ihr wirbelnden Winde, BWV 201
速く、速く、渦巻く風よ(アポロとパンの争い)
https://youtu.be/Pl4Dcm3H-c0


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