『トーマス・マン日記』を読む。
1955年6月、80歳の誕生日を迎えた。
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6月15日、キルヒベルク。
……4日誕生祝いが始まったが、……手紙の洪水が押し寄せてきた。……市の朝食会。……町の祝典。チューリヒ連邦工科大学学長は……自然科学名誉称号証書を手渡してくれた。
5日、シャウシュピールハウスでの祝典、……晩餐会。
6日、美しい贈り物のプレゼント。……正午まで祝賀客に対応。……家族の食事。……全12巻東ドイツ版全集……(ストックホルム版)革装の同じく全12巻全集……
『ルター』素材がどうしても形を成さず、先鋭化しないゆえに、恥ずかしい。そもそも私はもう仕事ができない、仕事に戻れないという感情。……しばしば足が弱っていることを感ずるが、しかしやはり倦まずたゆまず散策する。……
ショウの『ヨハナ』……を読む。
6月30日。
……ショウのキリスト教論(童話劇『アンドロクロスとライオン』への導入序文)を読む。……午後遅くアムステルダム行き飛行機に乗るため、きのうから荷造り、……
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死出の旅立ちとなるのを知っていたのか。
最後に読んでいたのがバーナード・ショーだったのが興味深い。私も今年になってからバーナード・ショーに興味を持ち始めたが、不思議な暗合かも知れない。考えすぎだが。
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及川晃希という方の学位論文、「メタフィクション小説としての『ファウストゥス博士』、『選ばれし人』ー後期トーマス・マン作品の語りの自己言及性について」をダウンロードして読んでいる。「古い」とされているトーマス・マンの小説にも実は新しさはあると言う。村上春樹のエッセイ集『うずまき猫のみつけかた』(新潮社 私のは1996年版)の76頁に、アメリカの古本屋さんで短編集を1ドルで買って「トニオ・クレーゲル」を読み、「古くさい」けど感動しているという逸話が紹介されている。
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ここしばらくは、トーマス・マンについて調べたり書いたりしそうなので、本棚に隠れていた全集本や日記本(一部)を机の上の本棚に持ってきた。なかなか良い眺め(*^^*)
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