2016年12月11日日曜日

『岩手における転形期の群像』の紹介 その1(序文、目次、あとがき)

『岩手における転形期の群像』(三浦宗太郎著、昭和37年、とうほくずうずうべん鼓社発行)。

 昭和37年の本、しかも造本には金をかけていないようで、傷みがかなりある。手製のカバーをかけ、少しずつコピーをとって読んだり書き込みをすることにした。
序文と目次と三浦宗太郎本人のあとがきと奥付をコピーして、眺めてみた。



 目次に書かれた大きな項目は以下の通り。
 「序文
 第一部 労働運動とその周辺
 第二部 文化運動とその周辺
 第三部 民主戦線とその周辺
 あとがき」

 あとがき によると
「一九六〇年一月から六二年二月まで六八回、二年余りにわたって、「週間いわて」紙上に連載した」とある。また、
「敗戦からすでに十七年、今書いておかなければ、」とも、ある。そして、
「欲すると否とにかかわらず、東西の谷間になるであろう日本のためには、思想こそ民族の背骨となる」と執筆の意図をあかす。

 序文を寄せたのは鈴木東民と鈴木彦次郎。以下敬称略。
鈴木東民は読売争議で組合長として正力松太郎などと対立。後に共産党入党、離党後、労働者農民党入党、釜石市長をつとめた。(Wikipedeaによる。
 この序文で、高野岩三郎と憲法調査会の思い出を語っている。高野岩三郎ははじめ、「天皇制の全面廃止と軍備の完全撤廃」を主張していたらしい。(私はこれは知りませんでした。勉強不足。)

 鈴木彦次郎は小説家、盛岡の文化人。「終戦時から昭和二十四・五年まで…この時代は、全国的にはげしく吹きすさぶ敗戦のあらしのうちに、新鮮な民主戦線の芽生えがたくましく頭をもたげる』時代だったが、この当時の記憶はすぐにうすれるが、三浦宗太郎のこの本の執筆はそれをおぎなうものだと評している。

 いよいよこのあと、本文を読もうと思います。

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