2017年1月11日水曜日

『獄中記』を読み続ける、「乱読」も再開

 隠居して、体力も衰えて世間との付き合いが少ない、今の状態は、インターネットを除くと、拘置所の中の佐藤優氏に近いと思いつつ『獄中記』を読みふける。

 彼の行動には全面的に賛成ではないが、囚人としての勉強ぶりには、教えられることが多い。

 2002年10月4日の記述。
「書くことにより、世界が確実に広がります。」

 2002年10月13日の記述。
「永山則夫氏が、ノート、書籍と向かい合い、知的空間を作り上げていった過程が拘置所生活をしているとよくわかります。外界から遮断された状況に置かれると人間の知的営為が深みをます...」

 これを読んで、義父の蔵書に『無知の涙』(永山則夫、1973年、角川文庫)があったのを思い出し、発掘してきた。年末に一部だが棚卸ししておいてよかった(^o^)



 10月16日の記述。
「(速読は難しくはない)ただし、対象についての知識のない本については不可能です。...まずは背景となる知識(「教養」)がどの程度あるかが問題になります。この「教養」をつけるという作業が本当にたいへんです。だから今回は拘置所において「教養」の幅を広げることを目論んでいるのです。」

 金にならないと、教養課程をなくしたがっている大学関係者は耳が痛いだろうと思う。そして、大学だけでなく、小中高教育の関係者も。(ひょっとすると企業内の教育担当者も?)

 このあとの鈴木宗男に関する話題を読むと、彼に関することも調べたくなる。もちろん北方領土問題もソ連の崩壊についてもしらべなくてはならない。

 疲れたので、青空文庫のなかからランダムに100作品を選んでくれるスマフォアプリで、『汽船が太平洋を横断するまで』(服部 之総 著)を読む。面白い。マルクスが汽船による貿易の予測をして、当たっている。

 
 今朝の朝日新聞の一面トップは、天皇退位に伴う元号変更に関するニュース。政府からの意図的リークをそのまま載せているのだろうと推測。

 元号は必要な人がかってに付けていただいて結構。ただし、われわれ(役所も含めた実務に邁進したい機関)は、もう無意味で使いにくい元号使用を、こちらもかってにやめる方向にしたい。

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