電子版全集本の編集の仕方を批評するのは本意ではありません。やはり、読書の世界にとびこんでもがくのが面白い。もがくとは以下のような狂態をいう。
寺田寅彦先生の1909年のベルリン大学への留学記を読む。途中に「“若くて禿頭の大坊主で、いつも大きな葉巻を銜えて呑気そうに反りかえって黙っていたのはプリングスハイムであった。」とある。トーマス・マンのファンとしては、これはカーチャ夫人(旧姓プリングスハイム)の親戚ではないのかと思いたい。いろいろ調べたがなかなか証明はできない。ドイツ語が読めればベルリン大学の資料を調べるという手があるが…
調べているうちに、このプリングスハイム教授は、『二億電子ボルト』なる自費出版本(著者は重山康祐氏)の55ページにちらっと登場されることを発見。リーゼ・マイトナーの先生だったらしい。(『二億電子ボルト』はGoogleプレイブックスで無料で入手可能。)
これで、リーゼ・マイトナーと原爆のことなど調べたくなる。まず、この『二億電子ボルト』を読まなくてはいけない。
ついでに寺田先生が留学するときの客船を調べた。日記(岩波四六版全集第一三巻)にルドウィッヒ号となっているが、これでしょうね。
1万トンの堂々とした船。第一次大戦後、英国籍になったようで、名前は変わっています。
ここで妄想がムラムラ湧く。この船に、作中人物だが世界漫遊帰りのフェーリクス・クルルがのっていたらどうだろうか?時代は少し違うが、妄想なのでいいだろう。ついでに、寺田寅彦がヨーロッパで卒業旅行中のリービットさんにあっても、面白い。すくなくともブログ記事のネタにはなる。
このように読んだり、調べたり、関連するものを読んだり、それらから得たトリビアを組み合わせて空想にふけったりするのが、私の読書法で、この泥沼にはまると、特定の一冊の読書スピードはおちるけれど構わない。楽しいから\(^o^)/
昨夜はNHKBSでハッブルをとりあげていた。一応全部見た。今朝のTwitterで、ハッブルはアスペルガー症候群だと決めつける発言があり、反論されていた。人間にある種類のラベルをはるのは慎重であるべきだ。人間は多種多様な側面をもち、多種多様な場面で、予測できない行動をとる。ともかく人類の宇宙への認識を飛躍的に拡大させたハッブルの業績は大きい。ノーベル賞のレベルを超えている。
もっとも、ハッブルの業績を支える礎は当時も今もめだたないリービットさんの仕事である。これを番組でも取り上げてほしかった😢
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