先程出たALL REVIEWSメールマガジン今週号の巻頭言は私が書きました。こんな感じです。
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さて、その『トーマス・マン日記』を今朝も読んだ。スイスの寒い冬に悲鳴を上げるトーマス・マン。今までは規則正しく当日に書かれていた日記が、まとめて書かれるようになってきた。これは新たな心配。
1953年2月2日。
大雪。
その中をメーディが訪ねてくる。到着まで心配だった。
2月5日。
「ペンラート城」のことをいろいろ調べて抜き書き。(# これは『欺かれた女』に出てくる地名だったっけ?)
2月7日。
『欺かれた女』を書き進める。
2月8日。
(やっと)日が照る。氷点下10度。正午Kと少し散策。
2月9日。
シューマン外相から、レジョン・ド・ヌール十字勲章の授与を受ける。書斎で応待。
2月19日。
2月12日の午後38度4分の発熱。最高は39度5分になった。ヴィールス感染の発病だった。
イギリスのケムブリジの名誉文学博士号授与は、6月4日。条件付きで応諾。
きょう正午頃Kの不在中に身支度。その姿で机に向かう。手元が頼りない。汗ばむ傾向。
2月22日。
きのう『欺かれた女』を少し書き進める。感度過剰のラジオを試し聴きするが、どの局も明確に選定できない。音楽が聴けず失望。蓄音機はよいようだ。晩に『貴族の巣』を少し読む。
今朝検温で36度1分。夜ツルゲネフを読み続ける。
2月25日。
きのう市内へ行ってみた。精神的にいくぶんよい影響。晩、ラジオ修理させる。レコードの包みを解く。多くの望みのものが足りない。
きょうの晩やっと音楽。トリスタンの愛の場面。長い。
2月26日。
灰色の厳しい冬が戻る。
ベートーヴェンのヴァイオリン協奏曲を聴く。ロング・プレイ・レコードはあまりに傷みやすい。(# なにがあったのか? 取り扱いのミスか機器の故障?)
2月27日。
晩、どこからかのラジオ音楽を少し聴く。
2月28日。
レコード収納戸棚、気持ちよく細工。不足ないし希望のレコードのリスト。無思慮な選択。
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Twitterで良いサイトを教わった。ここ。
ここで、たとえば「トーマス・マン クルル」とキーワードを入れて出てきた論文を読むと、楽しい!
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