相変わらず寒い、東の空に金星が明かるく光る朝。
『トーマス・マン日記』を読む。1953年分は今日で終わった。『クルル』をかなり急いで書いている。そしてユルスナールの『ハードリアーン回想録』を熟読。これで目を酷使したのだろう。年末には右目が腫れてしまった。いわゆるものもらいだろう。今年の春に自分もNetflixの観過ぎで左目が腫れたが、鬱陶しいものだ。でも、同じ病気と思うと少しうれしい(^^)
ユルスナールの本は借りることにした。
1953年12月7日。
ユルスナールの『ハードリアーン』本、喜んで読む。
12月8日。
銀行は購入額の50%を年率3.5%で貸すと言う。
11章を書き進める。
『ハードリアーン回想録』のアンティーノウスの恋物語は感動的。
12月11日。
エーリカと、堅固な館の広間とアトリエはやはり全蔵書を備えた私の書斎にするというアイデアを討論。でも実現不可能。
12月12日。
『ハードリアーン回想録』を読み終わり、創作資料文献目録に驚嘆し、最初から読み始める。
ハードリアーンの愛についての考察は『クルル』前章のフェーリクスの語りを奇妙にも想起させるものがある。
12月14日。
1月中旬の南への旅行準備をしていない。旅行前に『第一巻』を書き終えていなければなるまい。
家にとどまる願いが強い。それはいわば義務であろうが、私の身体状態により困難となっており、『第一巻』の完結への時間がもっと欲しい。読書する席の隙間風が堪えられない。椅子をずらす。
12月15日。
グラモフォン・ラジオを修理に出す。カリフォルニアで使っていた小さなラジオを使う。
12月18日。
1時半までずっと第11章を書き進める。
12月21日。
『ハードリアーン回想録』をアンダーラインをつけながらもう一度読み終わる。
12月23日。
操作するには面倒だが、放送受信力は改良され、音のミキシングができる、修理済みの電気蓄音機が到着、エーリカと試聴。
12月24日、クリスマスのタベ。
小さなリヴィングルームは心地よく調えられている。
12月25日、クリスマス初日。
きょう仕事のために机に向かっているのはおそらくただ一人の男かもしれない。電蓄の針の雑音。抗議しなければならない。
12月26日。
第三部を書き終わり、これで『クルル』回想録の「第一部」を完結。どれほどの価値があるかどうかは別として、ともかくひとつのことが成し遂げられたのだ。
12月27日。
『クルル』の浄書を通読。エーリカとKとの意見により、ズゥズゥの立ち居振舞いの変更を試みよう。
12月28日。
右の目の腺腫瘍と炎症。眼科へ行く。下瞼。
12月31日。
眼の腫れものは引くというより干からびたようだ。医者で切開しうみを出す。
***
夜は、マンションの理事会のお仕事。Tエレベーターのセールスさん、D(管理会社)のKさん、と修繕委員会Aさんと打ち合わせ一時間強。ロビーは冷える。おかげで、月刊ARはライブ視聴できず。あとでアーカイブで観る。
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