『トーマス・マン日記』を読む。
よせばいいのに、と言うと失礼だが、イタリアに旅行する。意味があったとは思えない。
1954年2月7日。
寒さの中をイタリア旅行へ出発。昨年春のローマでの好印象と娘メーディが心配だったからか。ローマで一泊し、フェリーも使ってタオルミーナ着。カリフォルニアを思い起こした。
2月9日、タオルミーナ。
案の定、風邪が悪化。
2月16日、タオルミーナ。
教皇ピオ12世は重病。マンも39.3度の高熱。気管支炎。エーリカの手紙によるすすめで、『クルル』に手を入れる。
すべてを整合性あるものにし、秩序づけようという気は私にはない。それがボケに類することをあからさまにだらしなく示すことになるとしてもかまわない。
2月19日。
きのう、『クルル』の修正と削除とに取り組む。
2月22日、ローマ、ホテル・ハスラー。
基本的に失敗だった滞在を切り上げローマへ。この冬の旅は意味がない。
2月24日。
アインシュタイン75歳誕生日お祝いの手紙を書く。
2月27日。
前日、列車でフィレンツェ着。メーディの家へ。
3月1日。
おとといウフィツィ美術館へ。教皇の病状は回復しつつある。
3月2日。
ベッドですごす。風邪悪化。
3月3日。
メーディと帰路につく。ミラノ、サヴォイ・ホテル泊。
3月4日。
予定した飛行機がストライキで飛ばず、列車でチューリヒへ向かう。
3月5日、エルレンバハ。
ゴーロの出迎えで戻る。エーリカはメーディの家に宿泊したことで嫉妬。
3月6日。
元の生活に戻ったようだ。
3月7日。
新宅を点検。
3月11日。
この間、『クルル』の改訂に苦慮。
一方、ホーマー・W・スミス(Homer W. Smith 1895-1962)の『魚から哲学者へ』を楽しく読む。
注によると、『From Fish to Philosopher』(1953)、『Man and his Gods』(1952)も読んだらしい。
***
メイ・サートン『74歳の日記』を読み終えた。脳梗塞から一年経って、なんとか講演(朗読)旅行もできるようになった。孤独も、元通り、楽しめるようになった。ただし、時々怒りの「発作」が起きたり、その後涙がでて止まらなくなっている。これは、きっと、後遺症だ。身近な人間を見ていてわかる。
この後、何を読もうか考え中。『82歳の日記』にするか、『独り居の日記』にするか。
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寒い。快晴だが南の空を見るとくっきりと雲がかかっている。アプリを使って気流の様子を見る。雲の下は暖かい風が吹いていて、こちらは寒い風が違う方向に吹いているように思える。
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まだ寒いが、夕方マンションの臨時理事会。一時間できりあげた。
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